第3回(令和5年6月号)
東伊豆町の未来を考える~自らを変える為の二つのコンセプト~
二刀流は地域づくりの極意
二刀流というと、古くは二天一流を極めた宮本武蔵、そして令和の時代では「大谷翔平」選手の名前を挙げるのではないでしょうか?片や天下無双と謳われた稀代の剣豪の持ち主、片やアメリカメジャーリーグで活躍する伝説のプレイヤー・・・。「二刀流」には不思議な魅力があります。
そんな「二刀流」について、最近のコロナやDXを踏まえ書かれた書籍があります。チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン著の『両利きの経営』。時代を生き抜くためのイノベーションの切札は「守りと攻め」 の二刀流について書かれた書籍です。
「既存事業を深め、新規事業を育てる「両利き」こそ、DX・コロナ時代を生き抜く知恵だ」と述べ、「変化に直面した組織が生き残るには、リーダーは相矛盾する二つの重要なことをやってのけなくてはならない」と記しています。東伊豆町が「人口減少」という急変に対応するためにはこの「二刀流=守りと攻め」の考えが必要だと考えています。要はこのバランスの問題だと思います。「守り」と「攻め」の施策をバランスよく進めていき、変化させるチャンスをしっかりと活かしていきたいと考えています。
コロナ禍で起きたチャンスとは
2014年、日本創成会議が「40年までに全国の約半数の896自治体で 20~39歳の女性が50%以上減り、将来は消滅する可能性がある」というレポート作成し、少子化対策や東京一極集中の是正の政策を提言しました。ちなみに東伊豆町を含む賀茂地域の市町の多くがこの「消滅可能性都市」に含まれています。 政府はこのレポートを受けて2014年、内閣に「まち・ひと・しごと創生本部」を設置しました。幸か不幸か岩井がその発足時の内閣府大臣政務官を拝命され地方創生の最前線で仕事をさせていただきました。この時の経験が地域づくりの大きな糧になっています。
「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されて以来、これまで矢継ぎ早に人口急減・超高齢化に対する政策が打ち出され実行されていきました。
「稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする」、「地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる」、「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、「ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる」・・・これまでとは異なる様々な 政策が創られ一定の成果を生むことが出来たと感じていますが、一方で「東京への一極集中の流れ」や東伊豆町を含む賀茂地域や伊豆半島における「人口減少」の勢いを止めることができていない・・・人口減少はなかなか手強い相手ということを痛感しています。
このような中、2019年に始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミック・・・コロナ禍は私たちの生活の価値観や消費行動をはじめとして多くの「モノ・コト」を変えると同時に奇跡も引き起こしました。
2019年に緊急事態宣言が発令された4月以降、東京都の転入超過数は昨年同月と比べて大きく減少し、2020年5月には、2011年7月以来となる転出超過となりました。その傾向は断続的ながら今も続いています。
「ピンチはチャンス」という言葉があります。コロナ禍は私たちに様々な困難を与えると同時に、私たちに「変化」のきっかけを与えてくれたのかもしれません。この自らを変化させるチャンスをしっかりと活かしていきたいと考えています。
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総務課 総務係
電話番号:0557-95-6302
所在地: 静岡県賀茂郡東伊豆町稲取3354
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更新日:2024年12月02日