第17回(令和6年8月号)
東伊豆町の未来を考える
東伊豆町の防災対策
東日本大震災の際に沿岸部を襲った津波の映像は未だに脳裏に深く刻まれている。その震災後の復旧・復興の仕事に従事していたことがあるが、津波対策とそこに住む方々の生活をどうやって両立させるかが大きな課題だと思う。
6月は東伊豆町の防災・減災について、多くの知見を深めることができた月だった。年明け早々に発生した「能登半島地震」の復旧・復興で陣頭指揮を執った石川県の西垣淳子副知事を迎え、その教訓を伝えていただくことができたし、その翌日には国土交通省の防災まちづくりの担当者にご来町いただいて現地を確認し、東伊豆町の津波対策の現状と今後の方向性について意見交換することができた。
これからの津波対策を創り上げるには基本的に二つのレベルの津波を想定する必要がある。その一つが、数十年から百数十年に一度程度の頻度で到達する津波で津波高は低いものの大きな被害をもたらす「L1 津波」と呼ばれるものであり、もう一つが、数百年から千年に一度程度の頻度で到達する津波で発生頻度は極めて低いものの、津波高が高く甚大な被害をもたらす「L2津波」と呼ばれるものだ。
津波対策の基本的な考え方は、L1津波に対しては津波のせり上がり高の最大値を基に設定された「必要堤防高」を確保することで対応し、L2津波に対しては速やかに「逃げる!」ことが重要である。
一方で東伊豆町においては、一部状況が異なる部分がある。「必要堤防高」が確保されていないが、観光業を中心とする当地区の特性に鑑み、津波を防ぐための防潮堤等の新たな施設整備や既存施設の嵩上げは行わないことが決められたエリアが存在する。
津波は自らがL1、L2を名乗って発生するわけではない。津波警報が発令されたら、近くに避難すべき場所があるところは「まず逃げること!」が基本である。なるべく安全な避難が行えるような環境づくりに取り組んでいきたい。
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更新日:2024年12月02日