第18回(令和6年9月号)
東伊豆町の未来を考える
名前のチカラ
室町時代後期に関東地方で活躍した武将で江戸城を築城したことでも有名な「太田道灌」。かつて太田道灌が深手を負った際に傷を癒したとされる「奇跡の湯」である熱川温泉郷だが、そのことから「太田道灌ゆかりの温泉地」として知られている。
さて、その「太田道灌」という文字だが坪内逍遙の小説『当世書生気質』の中で何と読まれているか…答えは「にわかあめ」と読むそうだ。なぜ太田道灌を「にわかあめ」と読むのか。道灌が鷹狩の帰り道に「にわかあめ」に遭い、土地の娘に蓑笠を借りようとしたところ、山吹の枝を差し出される。ところがその意図を察することができず、己の無学を恥じて歌道を志す…こんな逸話を踏まえての当て字だそうだ。「名前には不思議なチカラ」がある。文字として書かれた名前は文字が持つ意味以上に多くの方の想像を掻き立てる。
先日、熱川温泉にある伊豆急伊豆熱川駅の副駅名が「熱川バナナワニ園」駅となった。ここに降り立った人が駅名の看板を見て「熱川!バナナ!?ワニ!?」…しかも、熱川の町並みは今、台湾の町並みのように台湾提灯をぶら下げている。「一体、この温泉地はどんな温泉地!?」と想像を膨らませていただき「まち歩き」を是非してほしい。
「ネーミング」と言えば稲取でも先日、リノベーションをかけて多くの方々の憩いのスペースとなるように計画中のスポットである、旧稲取幼稚園の愛称が決定した。ちなみこの新スポットは来年度の完成を目指している。決定した名称は「よりみち135」。愛称を広く公募したところ5歳から82歳までの方から集まった83点の名称の中から選ばれた。東伊豆町を大川から稲取まで南北に通っている国道135号そこからちょっとだけ離れたところにあるオアシス…多くの方に寄り道してほしいという思いが込められている。
世の中が複雑となり、人生の歩み方もいろいろだ。スタートからゴールまで一気に駆け抜ける方もいれば、途中、寄り道をしながらマイペースで人生を歩まれる方もいる。多くの方がくつろげるオアシスになることを願っている。
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更新日:2024年12月02日