第24回(令和7年3月号)
能登半島の復興を祈りつつ、その教訓を活かせ!(その2)
今回から何回かに分けて、能登半島地震の教訓をどのように東伊豆町に活かしていくかという視点で要点に触れたいと思います。
能登半島の被災エリアを訪れて最初に気づいたことは、金沢から能登半島の先端まで行くための道路の復旧が道半ばで、思った以上に復旧に時間が掛かっているということでした。次に気になったのは、道路盛土部分の崩壊状況について、崩壊が多く規模も大きい区間と、それほど崩壊していない区間が存在していることです。何故盛土部分の崩壊に違いが出たのか、そのあたりの原因を探ることが伊豆半島の道路を災害に強くしていくヒントになると直感しました。
まず道路の復旧が遅れている原因については、もともと能登半島エリアは交通アクセスが難しい場所であったこと、老朽化した県道や市町村道が多く、修復が困難であること、そして、陥没や土砂崩れによる法面崩壊の被害が深刻でかつ、被害エリアが広すぎるなどの点が要因として考えられます。この状況は伊豆半島と酷似していて、場合によれば、伊豆半島の方が状況はさらに深刻であり、伊豆半島では能登半島地震の教訓を最大限に活かした効果的な対策が求められます。
また、盛土部分の被害の出方の違いについては、一般的に道路に被害が出たとしても、高速道路などの高規格道路(注1)は復旧が比較的容易で、県道や市町村道は復旧が困難だというのは一般的によく言われることです。しかし同じ高規格道路でなぜ被害の出方が違うのか…。現地から帰ってきてから後に確認したところ、盛土された道路の被害の出方の違いは、同じ高規格道路でも道路盛土の締固め基準が引き上げられた前後で異なり、後にできた道路は被害が出ておらず、それ以前にできた道路の被害が多いということがわかりました。つまり、道路の崩壊はある程度技術的対応で回避できるということです。的確な基準で造られたインフラは壊れにくい…これは家屋についても同じです。 これらを踏まえるとやはり、高規格道路である「伊豆縦貫自動車道」の一日も早い完成は伊豆地域の防災・減災力の向上に大きく貢献することがわかります。国土交通省は以前仕事をしていた古巣…昨年も何度となく国土交通省に対して「伊豆縦貫自動車道」の一日も早い完成の要望に行きましたが、今年も引き続き働きかけていきたいと考えています。(次回も「教訓」を踏まえた対応策についてお話します)
(注1)高規格道路:全国的な自動車高速交通網を形成する自動車専用道路。
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更新日:2025年03月06日