第25回(令和7年3月号)
能登半島の復興を祈りつつ、その教訓を活かせ! (その3)
災害時の人命救助のタイムリミットは3日間と言われ、一般的に被災後の3日(72時間)を過ぎると生存率が著しく低下すると言われています。
能登半島地震では地震が発生し、すぐに全国からの支援が被災地に向かいました。静岡県からも消防関係を含む多くの支援が向かいましたが、支援先の珠洲市への陸路が寸断され、静岡県から出動した大隊68隊239人をはじめ、全国各地から進出拠点に集まった部隊が足止めされてしまいました。人命救助のタイムリミットが3日間と限られる中でこの足止めの影響は大きなものでした。
陸路がダメなら海路で!…今回の地震は能登半島沿岸付近の海底活断層がずれ動いたことによるとみられ、周辺の海岸が大きく隆起しました。隆起の規模は志賀町から珠洲市にかけてのおよそ80キロの範囲で確認され、隆起の高さは高いところで5メートルを超えるものがありました。この大規模な隆起のため一般の艦艇が近づけなくなる中、自衛隊の所有する「ホバークラフト」が重要な働きをしました。
ホバークラフトは、圧縮空気を下向きに噴出することで浮上航行を行う超高速船であり、浮上状態では抵抗が極めて少ないため高速航行が可能となり、船舶ですが水陸両用であるため陸上でも動くことができます。自衛隊の所有するホバークラフトは全長26・8メートル、全幅14・3メートルで最大でなんと時速93キロメートルで移動することが可能です。積載能力は約50トン(重量級戦車90式戦車1両または人員約200人)を運ぶことができ、この艦艇が災害復旧に必要な重機や救援物資の輸送を行うなど、現地で活躍しました。
伊豆伊半島においても、南海トラフ地震のような大規模地震が発生した際は陸路がほとんど使えなくなると想定しています。それを踏まえると、能登半島地震の際のように迅速な災害対応のためには海路の活用が重要だと考えています。
ただし、ここには落とし穴があります。その部分については次回のコラムで触れたいと思います。
(次回へ続く)
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更新日:2025年04月11日