第32回(令和7年11月号)
人工知能(AI)と未来の付き合い方 ~AIは友人かそれとも脅威か~
シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉をご存じでしょうか。
これは、人工知能(以下:AI)が人間の知能を超える転換点、あるいはそれによって引き起こされる劇的な変化を意味します。
AI研究の世界的権威によれば、2045年頃にはAIが人間の知能を上回り、社会や人間のあり方に予測不能な大きな変化が訪れると予測されています。
1980年代に大ヒットした映画「ターミネーター」は、未来からやってきた殺人サイボーグと人間との戦いを描いた作品です。映画の大きなテーマも、まさに「シンギュラリティ」でした。作中では、AIコンピューターのスカイネットが自我に目覚め、人類との戦争を引き起こします。その転換点を「審判の日」と呼び、まさにシンギュラリティとして描いています。
当時は「人工知能が人類の知能を超えるなんて、フィクションの中だけの話だ」と思っていました。しかし今では、その現実味を感じずにはいられません。
実際に、東伊豆町でも課題解決のためにAIを活用するプロジェクトが始まっています。前回のコラムで紹介したように、伊豆出身のAI起業家・齋藤さんをアドバイザーに任命しました。驚くべきことに、齋藤さんの会社では社員はすべてAIであり、人間は社長の齋藤さん一人だけ。彼はAIに相談し、ときにはAI同士が議論をして物事を決めるというスタイルを取っているそうです。
こうした事例を見ると、私たちの身近なところでも「シンギュラリティ」のきっかけが生まれつつあるのではないかと感じます。確かにAIが人間の知能を超えることで、社会や人間の在り方が予測不能なほど変化することを想像すると、少し恐ろしくもあります。
しかし、人口減少と人材不足が深刻化するなかで、AIの活用は避けて通れません。大切なのは、人間がAIに支配されるのではなく、課題解決のための有効な手段としてAIを主体的に使いこなすことだと思います。
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更新日:2025年12月05日