第37回(令和8年4月号)

更新日:2026年04月09日

道の駅の立役者 岩井國臣

昨年亡くなった父は、建設省(当時)の官僚として河川局長などを務め、生涯を「川」の整備に捧げた人でした。しかし実は、今や全国1000か所以上に広がる「道の駅」を考案し、世に送り出した人物でもあります。

きっかけは、1989年(平成元年)、父が中国地方建設局長として赴任した際に聞いた、ある農家の方の一言でした。

地域活性化の会合に向かう途中、トイレに行きたくなり、やむなく鉄道の駅に立ち寄ったというのです。「鉄道には駅があるのに、なぜ道にはないのか」――この率直な声に、父は強く心を動かされました。父はすぐに「道にも駅を」と動き出し、国の制度が整う前から「道の駅」という言葉を使って各地でモデル事業を進めました。

島根県の掛合の里では、当時としては珍しいドライブスルー公衆電話の設置や、駐車場と店舗を一体で使える配置など、利用者目線の工夫を重ねました。

こうした取り組みが、やがて全国へ広がっていきます。

父が何より大切にしていたのは、「地域の人たちと一緒につくる」という姿勢でした。ただの休憩所ではなく、その土地の魅力が伝わる拠点にしたい――その想いは、今も道の駅の根底に流れているのではないでしょうか。

当たり前のように使っている道の駅の裏側には、地域の人々と汗を流した情熱の物語があります。この原点を、少しでも多くの方に知っていただけたら、息子としてこれほど嬉しいことはありません。課題に向き合うときのスピード感や、地域の皆さんと連携する姿勢は、私も父から学びました。

私もこれから、「できる理由」を探し続けながら、一歩ずつ前に進んでいきます。

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